ガルネリはバイオリンの三大名器、デル・ジェスと呼ばれているわけ

ガルネリのバイオリンとは

ガルネリ家一族

ガルネリは、バイオリンを製作したガルネリ一族の名前が由来だそうです。さらに、その中でも、一族の中の1人の製作したバイオリンが有名です。

その人とは、バルトロメオ・ジュゼッペ・アントニオ・ガルネリ(1698年~1744年)のことを言います。

バイオリン製作者一族、ガルネリ家の中でも最高の製作家とよばれている人物です。

ちなみにガルネリという名前はこの一族が製作した弦楽器のことを指しているので、
バイオリンだけではなく、他にもチェロやヴィオラなどの弦楽器も存在します。

デル・ジェスと呼ばれるわけ

バルトロメオ・ジュゼッペ・アントニオ・ガルネリは通称として、デル・ジェスと呼ばれています。そして、彼の作品自体もガルネリ・デル・ジェスと呼ばれたりしているそうです。

デル・ジェスと呼ばれるわけは、製作されたバイオリンのラベルのロゴマークをみればわかるそうです。

このロゴマークは、IHS(人類の救世主イエス)と十字架を組み合わせています。ここからガルネリ・デル・ジェス(イエスのガルネリ)と呼ばれたわけです。

また、ガルネリウスと呼ばれるのも理由があります。それは、ガルネリがイタリア語であって、それをラテン後読みすれば、ガルネリウスになるというわけです。

名品と言われるわけ

デル・ジェスの名

ニコロ・アマティの弟子の中でもストラディバリとライバルとも評されていたのがバルトロメオ・ジュゼッペ・アントニオ・ガルネリでした。

彼が通称デル・ジェスで、彼の作ったバイオリンは骨太で野性味があり、それでいて、どこか愁いを帯びているといわれています。

渋みがあって、ストラディバリのような華やかさがないそうです。どうも、彼の人生と合わせてみてしまうのかも知れませんが、彼は悲惨な人生でした。

喧嘩をしたり、牢獄に入ったりと波瀾万丈、それでも彼は牢獄の中でもバイオリンを作り続けていたそうです。

その牢獄での製作によって生まれたバイオリンは、なんと、「プリズン・デルジェス」と言う名が付いてしまったということです。

ガルネリの特徴

神がかったバイオリン

形状としての特徴は、f字孔のウイングの幅が広く、縦長に大きくなっています。ボディーの隆起も、ローアーチで、ボディーの長さが 350mm~353mm と小さめです。

それでいて、楽器の容積においては、Cバウツの縦を長めとして、横板の厚みを増すことによってしっかりと確保されています。

これによって、音量のある豪快な独自の音鳴りに加えて、深みのある音色を併せ持つことができたということです。

1737年、ストラディバリが他界したために、ガルネリファミリーへの楽器製作の依頼が増えて、デル・ジェスのバイオリンは多く作られたわけです。

ガルネリの魅力

あくまでもパワフル

ガルネリとストラドバリの特徴の最も大きな違いは、アーチと言われる膨らみの違いです。

バイオリンを横から見ると、ストラドバリの方が膨らんでいます。それに対して、ガルネリは平らに近いのだそうです。

ガルネリはパワフルといわれるのは、この膨らみが平らであるために、より大きな響きが得られる構造になっているからだそうです。

逆に膨らみがあるとまろやかな音色になるともいわれますが、ストラドバリとガルネリで木材の厚さが少しずつ違うので、微妙な違いが生まれるわけです。

三大バイオリンの特徴とは

アマティ

アンドレア・アマティは史上最初のバイオリン製作者の一人と言われているそうです。その二人の息子によってアマティの名が世に知れるようになったということです。

さらに孫のニコロ・アマティが、クレモナをバイオリンの一大生産地にしたといわれています。そして、ニコロ・アマティは多くの弟子を育て上げました。

ニコロ・アマティのバイオリンは緻密で優雅なスタイルだと言われています。

ストラディヴァリ

実は、アントニオ・ストラディヴァリもニコロ・アマティの弟子の一人で、最も有名になった人です。

今や、バイオリンの代名詞ともなったストラディヴァリウスですが、彼が製作したバイオリンは1000本とも2000本とも言われているそうです。

そのうち、現存しているのは600本程度で、中でも1700年初頭、彼が50代後半から70代前半にかけて製作されたものが特に優れていると言われます。

彼には多くの弟子がいて、とても優秀だったのも優れた名器を生み出した原因とも言われています。また、王侯貴族にも気に入られたことで、経済的にも恵まれていたそうです。

ガルネリ

ニコロ・アマティの弟子の中においてストラディヴァリとライバル的存在だったと言われるのがバルトロメオ・ジュゼッペ・アントニオ・ガルネリです。

通称をデル・ジェスといいますが、彼のバイオリンは骨太で野性味があり、ストラディヴァリのような華やかさはないそうです。

彼の生涯は華やかさとは逆で、悲惨な人生のようで、喧嘩をし、牢獄に入ったりしています。そして、牢獄の中でもバイオリンを作り、牢獄の中で作ったバイオリンはプリズン・デルジェスと呼ばれているそうです。

なぜストラディバリウスの方が有名になったのか

世界3大バイオリンとしてガルネリはストラディバリウスと肩を並べています。値段もガルネリの方が高値の場合もあるそうです。

二種類のバイオリンが製作された時期もそんなに違いはありません。ガルネリも、もっと知名度があってもおかしくないのですが、ストラディバリウスの方が圧倒的に有名です。

その理由として考えられるのは、作られたガルネリの数だといわれています。ガルネリ一族が製作したバイオリンはおよそ200挺だとか。現存しているものはその半分にも満たないそうです。

それに比べると、ストラディバリウスの数は桁が違います。まず、ストラディバリウスは1200挺ほど製作されたといわれています。そして現在でもその半分、600挺ほどは残っているといわれているそうです。

最高値のガルネリ

最も高値で売買されたのが、ガルネリ・デル・ジェス「ヴュータン」だといわれています。1741年に製作された史上最高値のガルネリです。

ベルギーのバイオリニスト「アンリ・ヴュータン」が演奏していたので、この名前がついたといわれています。

ヴュータンは2010年に売りに出されましたが、1800万ドルの売値がつき、話題になったそうです。日本円に換算すると当時のレートでおよそ16億円になるといわれています。

売りに出されてから売れるまでおよそ2年半かかりました。結局、所有したのはバイオリニスト「アン・アキコ・マイヤーズ」で、ヴュータンで演奏されたCDもリリースされているそうです。

ほとんど出回らない名器

ストラディバリウスもガルネリ・デルジェスも270年以上前に制作されたものです。

こういった古いバイオリンの名器につけられた評価によって、市場価格が500万ドル、日本円にして約6億円を超えるようになっているのが現状です。

しかしそのほとんどは収集家や博物館が保有しています。したがって市場に出回ることはほとんどないのが実態です。

また、展示されているストラディバリウスとガルネリ・デルジェスにしても、展示されるだけで、売られることはありません。

バイオリンの値段の決め方

実際に売れるからつく値段の不思議

バイオリンの値段は一体どうして決められるのでしょうか。皆さんも、テレビなどで、ストラディバリは数億円もする、といったことを聞いて知っているのがほとんどでしょう。

また、ストラディバリウスのことは知っていても、その他のバイオリンの値段のことは知らないというのが普通です。バイオリンの値段なんて、一般に知られているものではないのです。

現存するストラディバリには数に限りもありますし、ほとんどの人はなん億もする楽器を買える身分じゃないです。

したがって、ほとんどのバイオリニストは、普通のバイオリンを買います。では、普通のバイオリンの値段はどんなものでしょう?

値段はどうやって決まるのか?

大きく分けて3つの要素があるといわれています。

バイオリンが古い

年代が古ければ古いほど高くなります。逆に新しいものは、安くなります。それは、古いバイオリンの方が音色が良胃という理由からです。

一番古いバイオリンは、ストラディバリウスの師匠のニコロ・アマティの作ったものです。彼は1596年生まれで1684年まで生きました。したがって、もっとも古いバイオリンは1600年代なのです。

保存状態が良い

割れキズが少ないバイオリンほど、高くなります。ストラディバリであっても壊れてバラバラになってしまえば、価値は無くなります。

1800年代のバイオリンなどでも、破損が少なくてきれいな状態、これをミント状態というそうですが、そういうバイオリンの価値が高くなります。

有名な製作家

最後に、有名なバイオリン製作家が作ったバイオリンは、当然価値が高くなります。ストラディバリウス、グァルネリ・デル・ジェスの2人にアマティを加えた三人は別格です。

実は、他にも有名なバイオリン製作家がいます。

ガダニーニ、ロッカ、プレッセンダ、ストリオーニ、ファニョーラ、スカランペラ、ガリアノ、といった有名なバイオリン制作者は50人以上いるといわれています。

なお、全員イタリア人で、バイオリンはイタリアが本場と言われる所以です。

偽ブランド品のバイオリン

本物の100倍以上の数の贋作が出回っているといわれています。

例えば、ファニョーラは、贋作作りの名人でもあったといわれています。ファニョーラが作ったものならまだ良い方で、腕の良くない職人が作ったニセモノバイオリンは腐るほど出回っているのが実情です。

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実際のバイオリンの値段のランク

バイオリンは、値段によって、ある程度ランク分けができるといわれています。
・1万~8万円・・・いわゆるゴミバイオリン
・8万~30万円・・・入門用バイオリン
・30万~100万円・・・手工品バイオリン
・100万~300万円・・・新作(1980~2015年)バイオリンの良品
・300万~500万円・・・音大生用のバイオリン(1900~1950年くらい)
・500万~1200万円・・・モダン(1880~1950年)のバイオリン、本格的なバイオリン
・1200万~4000万円・・・オールド(1800~1890年)のバイオリン、本格的なバイオリン。
・4000円~8000万円・・・超一級品のバイオリンばかり、古くて、音も一級のもの(ロッカ、プレッセンダ等)
・8000万円~20億円・・・G.B.ガダニーニ、ストラディバリウス、ガルネリウスなど、歴史的な文化遺産。

値段と音の関係

これについては、必ずしも値段が高いから良いバイオリン、と言い切れない場合もあるということだそうです。

1000万円以上するバイオリンでも、古くて鳴らないバイオリンというのも結構多いといわれていて、少し新しくてもよく鳴るバイオリンの方が良い場合もあるというわけです。

古いバイオリンは良い音がしますが、音量が出ないものも多いということが言われています。

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