カルシウム不足の症状と原因、対策と問題点

カルシウムが体の中ではたらく仕組み

日本人の慢性的カルシウム不足

食生活が豊かな日本でありながら、数十年にわたり不足し続けている栄養素があるそうです。それがカルシウムなのです。

日本人に必要とされるカルシウムの所要量は、成人の場合で1日あたり600mgだといわれています。

ところが、国民栄養調査での結果は、この数値に達していません。2002年度でも平均摂取量は546mgと、足りていません。

この、必要所要量の600mgは、それで十分ではないそうです。外国では1000mg以上に設定している国も多いということです。

それに比べて、日本は数値そのものが低いうえに、その600mgすら満たしていないということになるのです。

深刻なカルシウム不足

カルシウムの不足によって、骨折や骨粗しょう症の原因となることは有名ですが、高血圧や動脈硬化の原因にもなっていることはあまり知られていないようです。

じつは、カルシウムの働きは骨をつくることだけでなく、血管などの細胞の活動にも大きな影響を与えているのです。

カルシウムが不足すると、血圧の上昇や血管の老化を招いて、高血圧や動脈硬化になります。

さらに、脳の神経細胞の働きが低下してしまい、痴呆症を引き起こしたり、細胞の免疫力を低下させて、がん細胞も発生しやすくなると言われています。

カルシウムが不足したときの症状

カルシウム・パラドックスとは?

カルシウム・パラドックスという問題があります。これは、体内のカルシウムが不足すると、血液中のカルシウムが増えるという、不思議な現象のことなのです。

体内のカルシウムのほとんどは、骨に貯蔵されていますが、わずか約1%程度は、血管などの細胞で使われるのです。

この、骨以外の細胞で使われるカルシウムは微量なのですが、心臓の筋肉や脳の神経細胞の働きをコントロールするといった、生命にかかわる重要な役割をもちます。

もし、カルシウム摂取量が不足すると、体は危機感を持ち、副甲状腺ホルモンを分泌させて骨からカルシウムを取り出し、細胞に補給するわけです。

カルシウム不足が続くと骨からの補給量がどんどん増加していきます。その結果、血液中のカルシウム濃度が高くなってしまうというわけです。

カルシウム・パラドックスが高血圧の原因に
血液中のカルシウムが増えると、カルシウムは血管壁に取り込まれます。すると、壁が収縮し、血液の流れが悪くなってしまい、血圧が上昇し、高血圧になります。

また、食塩のナトリウムを多くとるとカルシウムが体外へ排出されてしまい、カルシウム不足におちいりやすくなるそうです。

その結果、血圧の上昇を招いてしまいます。高血圧の予防や改善には、塩分のとり過ぎだけでなく、カルシウムの摂取不足にも注意が必要だというわけです。

カルシウム不足の自覚症状

次のような症状が見られたら、カルシウム不足を疑ってみたらいいそうです。

・まぶたがピクピクする
・よく、足がつる
・もの忘れを多くなる
・イライラする

これらは、カルシウム不足による筋肉活動の低下や、脳の神経細胞の働きの低下が原因だと言われています。

カルシウム不足によって、脳の血中カルシウム濃度が高くなり、脳の神経細胞の働きがうまくコントロールできなくなって、イライラするのです。

脳の血中カルシウム濃度がさらに高くなると、痴呆症状を起こすことがあるそうです。また脳血管の動脈硬化によって、脳卒中のリスクが増大するのです。

カルシウムが不足する原因

不足するににはかならず原因がある

偏食は体に良くない、というのはわかっていても、それがどう影響するかはあまりわかっていないのが実情のようです。

じつは、偏食の傾向によってカルシウムへの影響が変わって来ると言われています。

同じ物ばかり食べる

ハンバーガーが好きだからそればかり食べる、というような場合、栄養が偏ってきます。

ハンバーガーでは、パンやお肉でエネルギー源は十分ですが、体の調子を整えるビタミンや体の機能を整えるミネラルは不足することになります。

好きな食べ物だけでなく、違った食材をたべることでカルシウムをはじめとした不足しがちな栄養素を補えるわけです。

加工食品が多い

インスタント食品やスナック菓子などの加工食品は、カルシウムをいくら摂っても吸収が阻害されているかもしれないのです。

それは、加工食品には食品添加物として、リンが多く含まれているからだといわれています。

添加物は、食品の状態を保ったり、色味をきれいに見せるといった働きがあり、そこに含まれるリンは、カルシウムの吸収を阻害するのです。

リンそのものは人の生命維持に欠かせない、とても重要な栄養素なのですが、ふだんの食事でも十分足りています。

したがって、リンが多く使われる加工食品を多く食べると、リンの過剰摂取になり、カルシウムの吸収が阻害されるわけです。

カルシウム不足を防ぐための対策と問題点

食事をチェック

・1日3食+間食で規則正しく食べている
・牛乳や乳製品をよく食べている
・大豆や大豆加工品をよく食べている
・海藻類をよく食べている
・骨ごと食べられる小魚をよく食べている
・インスタント食品をよく食べている

生活をチェック

・運動を定期的に行っている
・運動したり散歩をしたりするなど外に出る機会が少ない
・手作りのごはんよりインスタント食品を多く食べる

カルシウム不足解消には、運動も欠かせないポイントです。身体に適度な刺激を与えることでカルシウムが骨にしっかりと定着するといわれています。

カルシウムは小魚、乳製品、大豆や大豆加工品、海藻、野菜などに含まれていて、大切なのは毎日そのような食材を食べ続けることなんです。

特に、加工食品の摂り過ぎには注意する必要があります。先ほども説明したように、リンの過剰摂取によって、カルシウムの吸収が阻害されるので注意しましょう。

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