自動ブレーキの意味、種類と性能、搭載が義務化されて事故は減るか | 楽しいことが一番大切

自動ブレーキの意味、種類と性能、搭載が義務化されて事故は減るか

自動ブレーキで事故を減らすのは時代の絶対的要求

追突、ペダルの踏み間違い・・・様々な車の事故が絶えない

「自動ブレーキ搭載の~」といった感じのCM、よく見かけますよね。最近の自動車は、自動ブレーキが付いているものが多く、事故率を減らそうという動きがよくわかります。

出来れば事故なんて、経験などしたくないですから、予防できるものなら予防したいとわかっていてもなんらかのミス一つで大変な事になりかねないのが自動車の運転です。

それを回避させるのが自動ブレーキですよね。でもこの自動ブレーキの登場、実際どれだけ事故率が減ったのでしょうか?

自動ブレーキ、実は色々な種類がある!

自動ブレーキって1つじゃない

自動ブレーキ!と一概に言っても、実は、何種類かあります。まず自動ブレーキは本来の名前は「衝突被害軽減ブレーキ」と呼ばれており、そのブレーキを搭載している車は「ぶつからない車」という感じのうたい文句で、売り出されていたりします。

では、ぶつからないようにしている原理は何なのでしょうか。自動ブレーキの方式は、現在約4種類ほどに分けられており、「赤外線レーザー方式」、「ミリ波レーダー方式」、「カメラ方式」、「複合式」となっているそうです。

まず、「赤外線レーザー方式」の特徴は、簡易型になり、その分コストを下げることが可能。その為、安価で導入しやすいという利点を持っています。

しかし、検知ができるのは、車両のみ。歩行者などの対人には向いていません。また、検知が赤外線になるので、天候などに左右されることもあります。

さらに、作動する速度条件があり、30㎞/h以下になり、それ以上の速度では検知しません。安価であり、導入しやすい点から、軽やコンパクトカーに多く使用されているそうです。

次に、「ミリ波レーダー方式」の特徴は、100メートルを超えるような遠くの物体も検知できる能力を持っています。

さらに、クルーズコントロールを組み合わせることができるそうです。しかし、レーダー波を反射することのできる物体のみ把握してしまいます。

そこで、人などは検知しない・・・と言われていましたが、最近ではこのミリ波レーダー方式の機能向上により、歩行者などの対人でも検知が可能になっているものもあるそうです。

次に「カメラ方式」です。このカメラ方式はさらに2種類存在しており、「単眼方式」と「ステレオカメラ方式」とあります。

まず「単眼方式」ですが、単眼という名の通り、カメラ1つでセンサーの働きをしています。こちらはカメラでの認識になるので、歩行者にも反応ができます。

しかし、先ほどのミリ波レーダー方式のような、クルーズコントロールは組み合わせることができません。

また、もう一種類の「ステレオカメラ方式」は、2個のカメラを使用して検知します。ミリ波レーダー方式よりは少々劣ってしまいますが、このステレオカメラ方式も測定距離はなかなかの性能です。

2つのカメラを使うので人間の目と同様に感知することができ、歩行者や、車道などの白線、高速道路でも性能が発揮されます。しかし、この2種類のカメラ方式は、カメラでの検知になるので、天候で検知能力が左右されることもあるそうです。

最後に「複合式」です。名前の通り欠点を補いあうパターンのもので、よくあるパターンは「単眼方式」+「ミリ波レーダー方式」+「赤外線レーザー方式」になります。カメラ方式によって人を検知、白線を検知する事が可能になるそうです。

事故はこれで防げる?

減少率そして、気になる誤作動とは?

色々な種類の自動ブレーキがありますが、実際に事故率ってどうなっているのでしょうか?また、カメラやレーザーやらを駆使して検知するけど、誤作動とかはどうなのでしょうか?

まず、事故率ですが結論から言って、減少の傾向が見られると言われています。実際、交通事故の減少率の約6割が車両同士の追突などにあたり、これは自動ブレーキの普及のおかげともいわれているそうです。

14年11月からは新型車の大型トラックなどは自動ブレーキの義務付けが始まっています。大型トラックなどでも自動ブレーキを搭載していない車に比べ、3分の1程度に減少したと言われているそうです。

車両同士の追突の減少率の幅が1番大きくなっているそうです。しかし、歩行者などの対人への減少率は、減少幅が小さい結果となってしまっているそうです。

こういった事故率が減少しているという良い結果を生み出している反面、やはり、どうしても相手は機械・・・人間だってミスを犯してしまうこともあります。

本来はあってはならないとは思うのですが機械も誤作動ということもあります。実際に自動ブレーキの誤作動にはどのパターンがあるのでしょうか。

自動ブレーキの誤作動の実態は「急に加速」、「急に減速」、「自動ブレーキが予期せず作動」、「警報が鳴らなかった」、「急停止」、「減速または加速しなかった」などが挙げられています。

その中でも一番多かったのは「急に加速」すること。これはびっくりしますよね。本来停まらなければならないのに、逆の現象が起きてしまったという結果が出ています。

しかし、すべての自動ブレーキに絶対的に起きているわけではなく、それこそ天候や、物体の位置や、さまざまな要因が重なり、誤作動を引き起こしているようです。

自動ブレーキ搭載の義務化、いつから?

政府の計画案はでているものの・・・

はっきりとした明確な日付は現時点では、まだ出ていないようですが、2020年までに自動ブレーキ搭載車を9割以上に目指しているそうです。それと同時に、20年度までに交通事故死亡者の人数を2,500人以下にしたいなどという目標も掲げている様子です。

オートマ車が普及している今、どうしてもペダルの踏み間違いなども起きやすいですよね。特にご高齢の方は、間違えてしまう事が増えてしまいます。そういった点でも自動ブレーキの存在は欠かせなくなっていくのでしょう。

しかし、先述しましたが、誤作動という事も念頭に置いて、自動ブレーキが搭載されているから絶対大丈夫「だろう」ではなく、「かもしれない」でいなければならないのでしょう。

自動ブレーキの性能が高くなっていっても、自動車学校で習った「かもしれない運転」はいつまでも忘れてはいけないワードになりそうです。