海苔の歴史、浅草海苔からスサビノリへ、味付け海苔が生まれた歴史

海苔の代名詞、アサクサノリ

実は昔のアサクサノリは全滅した?

アサクサノリは江戸時代から愛されてきた海苔です。これは東京浅草がその名の由来とされています。

日本では、昭和三十年代頃までは、海苔と言えばアサクサノリだったのです。火で炙ると、紅紫色が美しい緑色に変わって、磯の香ばしさが部屋中に広がったものです。

ところが、いつしかそんな光景は見られなくなります。さらにアサクサノリは環境変化に弱く、育てるのが難しいので、次第に見られなくなって来ました。

アサクサノリは、ウシケノリ科アマノリ属に分類される紅藻の海藻です。このアマノリの仲間を板状に乾燥させた製品が「浅草海苔」として売られていました。

この浅草海苔は隅田川下流域の海で採取されたアサクサノリを、浅草の紙抄き技術を使って板状に加工したもので、干海苔の「製品名」なんです。

ただし、これは昔の話で、現在は干板海苔は、スサビノリという品種から作られているそうです。

実は、アサクサノリの野生種は絶滅状態で、厳密には、もうないんですね。現在の浅草海苔は、養殖用に生み出されたハイブリッド種だそうです。

現在は、養殖でわずかに生産されている状態ですが、非常に弱く、養殖するのは並大抵ではないそうです。したがって、極端に生産量が少なくて、アサクサノリそのものが超高級品になっているわけです。

このようにアサクサノリは弱い種なので、名前は浅草ですが、東京湾では絶滅しています。全国的にも野生種は絶滅状態です。栽培されてるのは殆どがスサビノリなんですね。

スサビノリは、アサクサノリと同属になる「あまのり」の仲間です。そこから「オオバアサクサノリ」「ナラワスサビノリ」という2種を栽培用に改良して、アサクサノリの代用として栽培しているそうです。

関西で人気の味付け海苔

ノリだけでも食べる大阪人?

大阪の家庭では、味付け海苔が普通に食卓にドーンと置いてあるのが一般的な感じだったりします。

そのノリをおやつ替わりに子どもがパクパク食べるといった家庭も多かったようです。

そのように、関西でおにぎり海苔と言えば「味付け海苔」です。この味付け海苔ですが、誕生したのは明治時代だそうです。

それも、大阪ではなく、江戸時代から続く東京の老舗海苔店、山本海苔店が発祥だったそうです。

誕生したのは、明治維新から間もない1869年です。

明治天皇の京都への行幸の際、江戸城無血開城の先鞭をつけた明治時代の政治家である山岡鉄舟が、山本海苔店二代目の山本徳治郎に依頼して、発明されたのが味付け海苔だったというのです。

それ以降、味付け海苔は京都を中心に関西全域に広がります。そして、大阪を中心に、海苔といえば味付け海苔という地位を築き上げたわけです。

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